「万物は流転する」は永遠の法則ですが、あなたも私も毎日変化してますね。
それなのに、基本的に人は変わらない、と思っている人が多いのが不思議です。
学歴でその人の能力を判断する類の人たちは、そう思っているからでしょう。18歳の時のペーパーテストの結果(またはそれへのコミットという精神力)は、30になっても40になっても影響していると。しかし、そういう思いこみは論理的ではないと言えます。
実際には脳の可塑性によって、年をとっても学べば学ぶほど脳は発達していくことが近年明らかになっているわけで、これは学者に教えられなくても、日々研鑽と学びを深めている中年なら自分の身でもって実感があるはずです。
養老孟司氏は、学習するとは、「新しい世界を知る」ことで、「それはもう以前の自分ではなくなる、別人になってしまう。」ことだと。
なにかを知ったことで、別の人になる。
これが成長している人の実在だ。
ただ、人は社会的動物なので、整合性をつけなければいけない関係上、自我同一性の働きのもと”自分は自分” ”昨日の自分も今日の自分も同じ”と思っているだけに過ぎない。
しかし、実際には思考も頭脳も肉体も常に変化している。
そういえば、最近で、”この人、すごい成長されたんだなぁ”と驚きがあったのが参議院選挙での山本太郎さん。数年前とは、明らかに変化しているのですが、その変化率が見えない人は、「あんなの一時的だ」と言ってます。
しかし、人は変化する。
変わらない人に創造性はない。
「ブレない」という言葉は、一貫性があるという事で、信念に殉じている表現として使われますが、成長しない人の言い訳にもよく使われていますので、注意しなければなりません。
今の時代そのものが急激な変化とともにあり、上っ面の「ブレない」に固執してしまうと、多様で柔軟な感性を持てないと思います。かと言って、主張がコロコロ変わるのも信用を失うので、とにもかくにも言葉は慎重に吟味した方がいいかなというのが私自身の自省でもあります。
よくわからない事には、マインドフルネス的態度で見守る。
人生100年になったから、老後のお金がどれだけ必要か、などと騒がれてますが、50になろうと60になろうと常に自分が変わっていく。自分をアップデートしていく。
お金がどれだけ… という事に本質があるのではなく、”自分”の変化こそが必要だと思う。